トランスクリプト | the hong kong agent


ト ラ ン ス ク リ プ ト


THE HONG KONG AGENT
Selected Episodes (Japanese Translation by Emi Masuyo Morita)
Written by Robert Iolini

大丸 ゴーストバス:
天皇の復帰

ザ・エージェント
日本の何処の出身?
T
香港。
ザ・エージェント
1945年8月9日長崎?
T
父の誕生日。
ザ・エージェント
彼について話してくれる?
T
アメリカ人達が、日本列島の人口を減らしている間、僕の祖母は香港島で人口を増やすことに忙しかった。そして、祖父は自分の名前を変えることに忙しかった。
ザ・エージェント
Young?Maltby?(英国人司令官)
T
さかいたかし。(日本人侵略司令官)
ザ・エージェント
君のお爺さんは日本人と戦っていたと思っていたけれど?
T
彼は、日本人と戦っていた一方で、英国人を嫌っていた。少なくとも、日本人の肌は同じ黄色をしていたわけだ。皮肉なことに、彼は、英国人でも日本人でもなく亡くなった。
ザ・エージェント
しかし、40年後孫の君が完全に日本人っぽくなっていることを知ったら、彼は嬉しいだろうね。
ところで、大丸デパートへはあとどれくらいで着くんだ?
T
ちょっと遅かったね。1998年に閉店した。アジア経済破綻は西洋には伝わらなかったようだね。
ザ・エージェント
じゃあ、このバスの前面のサインは何?
T
記憶は機能の跡を追う。この辺では、人びとは建物や場所を思い出の跡として使用し、あてもなく漂う時に、自分達をつなぎ止める助けとする。
ザ・エージェント
ところで、1997年エバンゲリオン・シリーズ02が見つけられる場所は、思い当たるかい?
T
メカは死んだよ。今は、セクシーな女の子のフィギュアーばかり。ここでは、日本人に売りさえしてる。ザ・トゥインズを聞いたことがあるか?とにかく、Mong KokにあるSinoセンターへ行ってみな。マスター・Mersaを探してみな。皆、彼が誰だか知っているだろうから。
ザ・エージェント

メ、メ、メ、メ、メランコリー 優しい真冬の光
Mongkok
ポ、ポ、ポ、ポップパラシーボ?
新たな日本の本質、現在の中心へと潜り込んでいく
私のタイトフィットな大迷宮へようこそ
外側のネオンスキンが、レーザー銃のミステリーを覆う
ネオンサインは、通りの何千もの希望と個性に生きる眼球に反射する
眼球は無数の思い出をかかえる入れ物
今、暗号読解モードで、動き、スキャンし、悪意の無さ、悲しみ、
尊敬、自覚、感じやすさのみを感知
そして、この塩分を含んだ眼球界から思いがけず
涙のしずくが落ちる

Hello Kitty MTR Interlude:
ハローキティMTRインタールード:
spirit of the age
スピリット・オブ・ザ・エイジ

THE AGENT
ザ・エージェント
I elevate down three layers to the subterranean transport hub
僕は、地下交通中枢へと、地下3階へエレベーターで下りる。

The platform seems unusually people free, the carriage mimics a temple entrance with its dual layer spirit doors.
駅のプラットホームはいつになく人影まばら、車両は、二重扉の開きドアで、寺の入り口を思わせる。

I hesitate before entering, suspicious of the intention behind the meticulously Hello Kitty covered surfaces.
僕は入るのをためらう。ハロー・キティで覆いつくされたその車両に秘められた意図に気がゆるせない。

Once inside I search for a clue, everything appears normal, but then I spot a young woman standing alone by the doors with her back against the wall dressed as a Gothic Lolita, concentrating on the bright pink plastic portable game held between her active fingers
車内に入り、謎を解く手がかりを探る、全て普通のよう、しかし、そこでゴシック・ロリータのような服装をし、忙しく動く指の間につかまれた、派手なピンク色のプラスティック製ポータブルゲームに集中する少女が、壁にもたれてただ一人立っているのを見つける。

She seems oblivious to her surroundings.
彼女は、まわりのことなど一切気づかないように見える。

Is this Hello Kitty carriage decoration her doing?
彼女のしていることは、ハロー・キティ車両のデコレーションなのか?

Are my fellow travellers impervious to her magic or are they skilfully hiding their fear as one does when confronted by a vicious animal?
他の乗客達は、彼女のマジックに鈍感なのか、狂暴な動物に出くわした時にするように、自分達の怖れを巧妙に隠しているのか?

I decide to assume the role of provocateur, pull out my camera and cavort around the carriage, as expected nobody flinches.
僕は、挑発者の役を決め込むことにし、カメラを取り出し、車両中を遊び戯れる。思ったとおり誰もひるまない。

The Lolita continues her manipulation and the train rolls on……….
ロリータは、巧みな操作を続行し、電車は走り続ける。